夢の残像、思考の欠片

泡のように儚く消える私の日常と、思いつき。

記念日が生まれた瞬間。

人生は、何が起きるのかわからない。唐突だ。

 

予期せぬことが起きて、打ちのめされることもあれば、歓喜に沸くこともある。

 

昨日の私に起きたことは、夢のような、今でも信じられないことだ。

 

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1か月くらい前、あなたが私と別れて、前の恋人に戻ると言ったとき、どれくらいの時間かわからないけど、果てしない、永遠のような「待つ時間」を、私はこれから過ごすのだと思った。

 

あなたの幸せを願いながらひたすら待つ。

 

あなたに恋焦がれながら待つのは辛い。報われない切なさに、もしかしたら心が壊れるかもしれない。

 

だから、私は、心の平穏を保ちながらゆっくりと待つために、心に蓋をして自分の身を守った。

 

それでも諦めそうになる心を、「あなたの幸せのために」と言い聞かせて、何度も何度も奮い立たせた。

 

私が頑張れたのは、私があなたを待つことを、あなたが許してくれたから。

 

あなたは、「待っていて」とストレートに言うことは避けていたけど、やっぱり私のことが好きなんだろうなという気持ちは伝わってきた。

 

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あなたは昨日、私と会って、恋人との関係が終わったことを教えてくれた。

 

そんなに早く終わると思っていなくて、驚きながら私が「じゃあ、私と付き合えってくれるの?」と訊いたら、照れながら「うん」って小さく頷いてくれた。

 

そんな素朴な会話だったのだけど、私にとってはずっと夢に見て来た幸せな瞬間だった。

 

私は、ただ、あなたを両腕の中に抱いて、嬉しさと幸せを噛みしめた。

 

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それから、私たちは、婚姻届を書いた。

 

いつ提出するかは決めていないけど、いつでも出せるように置いておくことにした。

 

そして、私たちの関係を「事実婚」と呼ぶことにして、私は友人たちに結婚したと報告した。

 

これから、私とあなたに待ち受けることが何であろうと、私はあなたと一緒ならば大丈夫なんだ。

 

ありがとう、あなた。私を選んでくれて。